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ナルセブログBlog

「誰と食べるかも、健康のうち」 というお話とコメンサリティー

こんにちは。もう6月になりますね。いかがお過ごしでしょうか?

皆様はお食事なさる時、どんなことを考えますか?

歯科では、「何を食べるか?」や、「噛める」「飲み込める」ことの重要性をお話しする機会が多くありますが、
その“食べる”という行為が、誰かと共にある時間であること、
それが、実は人生の豊かさや心の健康に深く関わっているのではないかと、最近強く感じることがありました。

こうした「一緒に食べること」に注目した考え方に、「コメンサリティー(commensality)」という言葉があります。


これは、「誰かと同じ食卓を囲み、食事を共にすること」を意味する社会学の概念です。
世界の多くの文化では、共に食べることが、信頼を築いたり、世代をつなげたりする手段として大切にされてきました。

一方で、現代社会では、孤食や時間のバラつきにより、「誰かと一緒に食べる」ことが当たり前ではなくなりつつあります。

しかし、一緒に食べることには、食欲や消化だけでなく、会話・安心感・学びといった“心の栄養”も含まれているのです。

実は先日、ある会食の場に、私と息子のふたりで参加させていただきました。
年齢も立場もさまざまな方が集まるテーブルで、最初は緊張していた息子も、
皆さんとの会話を通じて徐々に表情がやわらぎ、帰るころには「楽しかった」と笑っていました。

一緒に食べることは、ただ食べ物を分け合うだけではなく、人との関係や気持ちを育ててくれる。
私自身、そのことを親子で実感できた時間でした。


私たち、ナルセ歯科クリニックでも、“誰かと食べること”の力を大切にしています。

スタッフと共に定期的にランチョンミーティングを開き、診療のこと、患者さまのこと、地域との関わりについて語り合う時間を設けています。

この何気ない「共食」の時間が、実は日々の診療における連携や思いやりに、そっとつながるよう、心がけております。

歯科は、「噛む」「食べる」という身体的な機能を支えるだけでなく、
「誰かと食べる楽しみ」「人とつながる喜び」を守る場所でもあると、私は思っています。


「人前で食べるのが不安」「食事の時間がつらくなってきた」
そんなお気持ちがあっても、決してひとりで抱えこまないでください。

食べることが、また楽しくなるように。
その第一歩に、私たちがお力になれたら嬉しく思います。

実はこれに関して気になるコラムがあったのでこんな事を書きました。
孤食(孤独な食事)は、健康だけでなく幸福感も蝕み、日本は世界最低レベルの「孤食国」だという記事です。

誰かと食べることの重要性や、孤食への回避法については、次回以降で考察しますね。

今日も良い一日ををお過ごしください。


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